腸管子宮内膜症の治療方法について説明します。
@ホルモン治療で一時的に生理をとめ、病変の活動をとめる。
A手術をして病変を取り除き、癒着をはがす。(取り除いてもほとんどが再発します)
ホルモン治療について(偽閉療法)
【GnRHアゴニスト】
スプレキュア・ナサニール・リュープリン・ソラデックスなどが主流です。
簡単にいうと女性ホルモンを一時的にたくさん放出させて、その反動で生理をとめるというものです(ちょっと説明が簡単すぎますが…)生理がとまっている間は病変の活動を抑制することができます。どれも高価で副作用が強く長期にわたって使用することができません。
副作用の主な症状は、顔のほてり・多汗・肩こり・頭痛・性欲減退・情緒不安定など様々ですが、気をつけなければならないのが、「骨量の低下(骨がスカスカになる)」「ウツ」です。
治療中は骨量を測る検査や血液検査を必ずうけましょう!また、「ウツ」の症状がでたらすぐに使用を中止した方がいいです。私はこの「ウツ」にずいぶん苦しめられました(仕事も続けられなくなりました)
【ダナゾール法】
こちらは女性ホルモンの分泌を直接ストップさせて生理をとめます。同じく生理をとめる方法ですが、副作用に少し違いがあります。体重増加・多毛・声変わり・筋肉痛・ニキビ・などですもちろん他にも様々な副作用がありますので医師に確認してくださいね。
私はリュープリンしか経験がないので他の治療法についての副作用などはわかりませんが、自分で勉強した範囲で書いてみました。
ここで私が言いたいのは、医師のいいなりに安易にホルモン療法を選択せず、一度自分なりに勉強してほしいということです。自分の体に使用する薬です(しかも劇薬)勉強するのは当然ですよね。たかが副作用されど副作用です!
【低容量ピル】(偽妊娠療法)
ピルを服用すると排卵をとめ生理をとめて人工的に妊娠状態をつくります。避妊薬として使われるくらいですからGnRHアゴニストやダナゾールに比べると弱い薬です。
ですので長期にわたって使用できるメリットがありますし、上に比べると安価です。
子宮内膜症患者に処方しない医師や取り扱っていない病院もありますし、副作用もありますから一度医師に確認したほうがいいでしょう。高血圧の方や喫煙者は使用できませんので、注意が必要です。
いずれにしても子宮内膜症はホルモン療法で治らないということを覚えておきましょう!
【手術について】
手術には妊娠機能を残す保存手術と子宮・卵巣を摘出する根治手術があります。
【腹腔鏡手術(ラパロ)】
腹腔鏡手術は、お腹に小さな穴を3,4箇所あけて、中に小さなカメラや器具を入れモニター画面を見ながら手術します。
術後の癒着も少なく、手術の傷も小さくすみ、患者への負担が小さいことから最近では頻繁に行われるようになりました。
中をきれいにすることは、不妊治療にもなるので子宮内膜症に限らずラパロをやる方が多いようです。
ただし高度な技術が必要なことから、医師によって手術の質が違ってきます。合併症も多く他の臓器を傷つけてしまうこともありますので医師選びが重要です!!
術後は翌日から歩けることが多いようですが、私の場合はとても翌日から歩くなんてできませんでした。これも個人差があるようです。
入院期間は病院によって違いますが、普通は一週間以内には退院できます。ちなみに私は術後の回復が遅く、8日間の入院でした。
【開腹手術】
腸管子宮内膜症の場合、腹腔鏡手術では対応できない場合がほとんどです。術後の回復は腹腔鏡手術(ラパロ)に比べると遅く、食事をしたり歩けるようになるまで少し時間がかかります。また、退院までの日数も1ヶ月近くかかる事があります。
また、手術にともなう癒着もラパロに比べると大きいです。予防としては術後すぐにベッドの上で動くことです。傷痕はラパロと比べると大きくなります。
中には傷痕がミミズ腫れになったりケロイド状になったりもしますが、今はケロイドを予防するテープも市販されています。術後のケアが大切です。
術後3ヶ月くらいは傷痕を寄せてテープで止めると傷の広がりが防げます。
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