腸管子宮内膜症の開腹手術〜入院から手術まで〜前編

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入院記録〜前編

私が腸管子宮内膜症の手術を受けた際の記録です。

■ 03/11/18 某総合病院に入院

昼過ぎに入院受け付けをした後病室へ移動。部屋は8人部屋の真ん中でした。

看護婦より一通りの入院に関する説明を受けるとすぐに寝巻きに着替える。

入院生活が長くなる予定なので荷物も多い。片付けをしていると看護婦に呼ばれた。点滴の管を入れますから処置室へ来てください」!!!え!もう?早くない?!

点滴の管は腕からではなく肩からと聞いていたので不安で一杯になった。術後一週間近く絶食になる為、腕からの点滴は血管がもたないらしい。痛がりの私は一気にブルーに。

処置室へ入るとなんだか空気がピリピリしている。看護婦もいつもの注射の雰囲気と違う…自分が緊張しているのが心臓の早さでわかる。「そこで服を着替えてください」と言われ指示に従う。

ベットに寝るといきなり外科の先生がやってきた。たかが点滴なのに先生が現れたことに緊張が更に高まる。「リラックスしてくださいね」と言われると余計に怖くなる。心臓の音が聞こえそうなくらいバクバクいってる!

すぐに顔を紙シートで隠された。(見えないと余計に怖い!) 先生が「少しズキンとするけど動かないでね」と言った。この時恐怖がピーク!!

歯をくいしばって動かないようにする。すると看護婦が二人がかりで押さえにきた。あばれる程痛いってこと??その時「ズキーン」と肩が重くなった。局所麻酔をされたらしい。その後の管を入れる作業はは無痛だった。(ホッ)

やっと終わった〜と思ってるいると「次は背中から硬膜外カテーテルを入れまーす」と先生。私はもう「はいはい何でもしてください」という感じで腹をくくった。。これを入れておくと術後の痛み止めが自動的に入るようになり痛みが軽減されるそうだ。そういうことならば我慢するしかない。後々痛いのも嫌だし。

「背中をおもいっきり丸めてね」と言われ、これでもかっていうくらいにひざを抱えた。前に「丸めれば丸めるほど痛くない」と情報をもらっていたからだ。

先生から「上手ですね〜」と誉められ「えへへへ」とか言ってるとまたまた「ズキーン」ときた。もちろん看護婦に押さえつけられ「動かないでください」と何度も言われた。わかってるって!これも局所麻酔で、その後のチューブを入れるのは無痛でした。

どちらも麻酔は痛かったけど一発で処置が済んだのでとりあえずはホッとした。

病室の方々とおしゃべりなんかしてるとすぐに夕食の時間に。もちろん明日の手術にそなえて夜は絶食。それはそうと明日腸の手術をするのに夜だけ絶食でいいの?そう思っていると看護婦が多量の下剤をもってきた。

オエッ。腸の検査で度々下剤は飲んだけどその中でも私の嫌いなやつだった。中途半端なオレンジ味の汁。オエッ。500ccなので一気に飲もうと思ってもマズすぎて無理!10分くらいかけてようやく飲み干した。

テレビを見てぼんやりしてるとお腹がゴロゴロなってきた。効き目が早い。病室からトイレが少し遠いため、ギリギリまで我慢。何度かトイレに行くことになったけどなんとかすっきり。

明日の手術の事を考えると寝つきが悪かったけど入院初日はあっという間に終わった。

■ 03/11/19 手術当日

やっぱり寝不足。。寝不足だと麻酔がよく効くとか聞いたことあるけど本当なのかな。きなり朝から「浣腸」前のラパロの時もやってるからそんなに抵抗ないけど、恥ずかしいものは恥ずかしい。

トイレで看護婦に浣腸をしてもらい3分ほど我慢する。クゥーーー(≧Σ≦)思考回路がおかしくなりかけた頃放出。うーんスッキリ。看護婦を呼んで便の状態を確認してもらう。看護婦さんて嫌な仕事だよね。。かわいそう。

11:30からの手術の為、少しゆっくりしてると旦那がやってきた。今日のつきそいは旦那のみ。術後はICU(集中治療室)へ入ることになっている。そこへ持って行く荷物を小さな袋へまとめた。腹帯、T字帯、ショーツ、ナプキン、タオル、ティッシュ、などなど。

11:00頃看護婦が来て点滴から安定剤ものらしき注射を入れた。眠くなるらしい。10分くらいすると本当に眠たくなってきた。でも緊張して寝れない。

術衣に着替えて帽子をかぶり、ベットのまま手術室へ移動。しばし旦那とお別れだ。看護婦が旦那に「何か声をかけてあげてください」と言っていて、旦那は「がんばれ」と小さい声で言った。私は笑いながら「さようなら」と言ったけど旦那の顔は少し引きつってたかな。

相変わらず手術室はひんやりしている。こっちはこの11月に術衣のみで寒いっちゅーのに暖房くらい入れてよ!私が「寒い寒い」言っても手術室の看護婦は「もう少しですからね〜」とか言ってる。

何??もう少しであなたは麻酔で眠るから分らなくなりますよ〜って事?あ、手術前で神経が高ぶってるのかなぁ。でもさっきの注射で眠気はピークに。少しウトウトしてると麻酔科の先生がきて、「さぁ、すぐに眠くなりますからリラックスしてください」それが最後の記憶。

「ずんだれさーん、ずんだれさーん、終わりましたよー分りますか!」という声で麻酔から覚めた。といってもグルグルしていて目は開けられない。すぐに寝てしまった。たまに何かの音で目を開けたけどすぐに閉じてしまう。起きたいけど起きられない。

旦那が横にいるのは分ったけど声をかけられない。覚えているのは旦那が「手術成功したよ!きれいになったよ! と言っていたこと。私は心の中で「よかった〜先生ありがとー」って叫んでいた。

11:30から6時間くらい手術室にいたらしく目を開けれるようになったのは夜の8時頃。旦那に「お腹が痛い痛い」と訴えてはウトウトしてたけど旦那が帰ってからは本格的にお腹の痛みが続き、歯をくいしばっていた。

もちろん痛み止めはしている。それでも痛い。体中に色んな管がくっついていてますます不安になる。鼻から胃までの管、肩からの点滴、背中のカテーテル、横腹からドレーン、おしっこの管、自動血圧計など。

喉が異常に乾くので1時間おきにナースコールでうがいをさせてもらう。寝ては起きて寝ては起きてを10回以上くりかえしていたので、この日の夜は恐ろしく長かった。

朝、鼻から胃まで入っていたチューブを抜いた。最後のどを通ってくる時オエッとなったけど、これが抜けただけで喉や鼻が開放され気持ちがいい。でも鼻は血まみれで片方が血の塊でふさがっていた。

先生が来て「やるだけの事はやりましたから」って笑顔で言ってくれた。それだけで安心する私。何枚か写真を見せてくれ、説明してくれた。かなりグロイ写真。自分の腸なんて見る機会なんてないよ。その写真は見事に腸と子宮がくっついていた。

先生は「ねじれてくっついていた」と言っていた。切り取った腸の写真もある。4〜5センチのコロンとしている塊だ。

当初は直腸をスパッと切る予定だったけど、病巣が小さかった為、悪い部分だけをくりぬいてくれた。そうする事で大切な排便機能をつかさどる神経をかなり残せたことになる。くりぬいた腸を半分に切った写真もあった。

中身は真っ白で肉の油みたい。これを病理検査へ出して内膜症組織かを調べる。幸い腸以外の子宮や卵巣、卵管に異常は見られなかった。(よかった〜)

しかし、腸と子宮を剥離する際、多少なりとも子宮の表面がボコボコするらしく、その為子宮を2ミリ程削ったらしい。なんかコワッ>(;/゜o゜)/

何はともあれ無事手術が成功したということはやっぱりうれしい!先生は腸のスペシャリストなので安心はしていたけど何が起こるかわからないもの。

あとは術後の合併症の心配のみ。切った腸から便がもれたら一時的に人工肛門だ。またお腹を切ることになる。それだけは絶対嫌!祈るばかりだ。

■ 03/11/22 寝返り&リハビリ

術後二日はベットの上で少し動くくらいしかできなかったが、この頃から寝返りを打てるようになる。早く動かないとせっかく手術して癒着を剥がしてもらったのに癒着してしまう。そうあせりながらも痛くて起き上がることは出来ない。

息ができなくなるくらい痛い。なるべく痛み止めの注射はせずに背中からの自動的に入る痛み止めのみでしのぐ。でもこの背中からの痛み止めのせいで一日中眠たい。寝ても寝ても眠い。

メールをしても一行で集中力がなくなりギブアップ。旦那へのメールも「タオルくれ」とか用件のみ。TVを見る元気もなく、大量の点滴のおかげで食欲もない。ただ!

水が飲みたい!術後一週間は水もダメ。地獄だぁ〜!!うがいのみで我慢するしかない。これが一番つらいかも。

それはそうとタイミング悪く生理が始まった。こんな動けないときに最悪…

看護婦に言って特大のナプキン(いやあれはオムツだ)をあててもらう。これで一日はもつらしい。初回の生理は生理痛がなくなっているかどうかドキドキだったのに痛み止めのせいで分らない。来月に期待するしかなさそうだ。よくなってればいいけど。。

回診の時に「ガスが出たか」と聞かれたけど「NO!」出ないんだこれが。腸はグルグル動いてるんだけど肝心のガスが出てくれない。ガスが動いてお腹が痛い。

ガスでここまでお腹が張ったのは初めてだよ。先生は「そのうち出るから」とお気楽だけどこっちは不安でたまらない。だってまだ便漏れの心配もあるし。

午後新人らしき看護婦がやってきて、「今日は起き上がってみましょう」と言い出した。私は午前中必死になって起き上がろうとしたけど無理だったことを伝えた。

しかし看護婦は「大丈夫ですよ〜私がサポートしますから☆コツがあるんですよー」と引き下がる気配なし。私も早く起き上がりたいから「じゃぁお願いします」と言って起き上がろうと頑張った。

??看護婦さーん、サポートは?看護婦は「がんばれ!がんばれ!」としか言わない。私は歯をくいしばって横をむいてベットに手をつき、ベットの柵につかまって半分まで起き上がった。

しかしその時すごい痛みが襲ってきてもう前にも後ろにも動けなくなった。息はできない!看護婦に「アーーッ…フーーッ…もう…限界…動け…ない」と訴えると看護婦は

「そんな中途半端な格好してるからだよーキキキキー」

お前一回死ね!って本気で思った。中途半端な格好なら手伝えや!!てゆーかサポートは???その日のリハビリはこれで終了。

その後もその看護婦は何かにつけて空回りしていたよ。

■ 03/11/23 立って歩く

ここの病室はお年寄りが多く朝が早い。5時には自由な時間が始まる。イヤホンなしでテレビは見るしバリバリお菓子は食うし…耳栓持ってきて大正解!

相変わらず食欲はないけど水が飲みたい。うがいだけでは満たされない。明日くらいには飲めるようになるはずだけど…

そうそう、お腹から出ているドレーンはまだ抜けない。今日ガーゼ交換の時に見たら管が入っている所が前のラパロの傷口に合わせてくれていた!!先生優しい!!

傷痕は少ないにこしたことはない。それにお腹の傷もヘソ上から切るかもしれないと言っていたのに見るとヘソ下3センチのところから切ってある!まだテープではっきりは見えないけどかなり丁寧に縫ってあるような気がする。前のラパロの時は最悪だったもん!やっぱり婦人科より外科だねぇ。

今日は自分で起き上がってみた。傷を手で押さえながらゆっくりつかまって腕の力で起き上がる。ベットに座ることができた。座ると傷が圧迫されて非常に痛い。それでもゆっくり立ち上がってみた。ずっと寝ていたから足に力が入らないけどなんとか歩いてみる。足を引きずり腰は曲がって重病人そのままだ。

病室から出て廊下を少し歩いた所でフラつき必死の思いでベットへ戻った。あー疲れた〜でも、一度歩くと二度目が楽になる。少しづつでも歩かなきゃ尿管も取れないしね。。

夜中に腹から出ているドレーンの穴がかゆくなりナースコールする。ガーゼを交換したけどかゆみは取れない。しばらくすると痛みも出てきた。化膿したら怖いよぉー。朝になったらおさまっていたけど早く抜いてほしい!段々ストレスがピークに。

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